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排泄ケア看護から現場へのアドバイス 第1回 脱・思考停止!便秘と下剤選択のキホン


(旧キャリエル看護2022年8月号より)文:浦田克美



キャリエルメディは医療系出版とセミナーで医療従事者の独立・副業を支援します。


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裁量権の拡大

「先生、Aさん便が何日も無いです。」
医師が下剤を処方すればそれで一安心。

2022年日本看護協会から「看護の専門性の発揮に資するタスク・シフト/シェアに関するガイドライン及び活用ガイド」※1が発刊されました。


医師のタスクシフトとしてナースが専門性を発揮し便秘時の薬剤も判断するよう推奨されています。


ナースの裁量権が拡大すれば、もちろん責任も伴います。思考停止ナースと陰口されないためにも、時代の変化に備えワンランクUPのナースを目指しましょう。


そもそも便秘ってどんな状態?


便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」※2と定義されています。


日本の便秘有訴者率は34.8%・65歳以上では68.6%※3と約2倍。


高齢者便秘の原因は、腹圧や直腸機能の低下、水分及び食物繊維不足、向精神薬やオピオイド系薬による薬剤性など多様です。


便秘の分類とは?


便秘を症状に合わせて分類すれば、必要な排便ケア方法が透かし絵のように見えてきます。


では、便秘を分類して下剤が必要な人をふるい分けしてみましょう。



便秘といっても、癌や腸管の疾患が原因の器質性便秘と一般的に多い機能性便秘に大別されます。


後者には排便回数減少型便秘と排出困難型便秘の2種類があります。


排便回数減少型は、大腸内に便が停滞している、もしくは便が少ない時に発生します。


便が停滞している状況であれば下剤が第1選択。便が少ないのであれば、そもそも排便ケアは不要です。


排出困難型は、硬便、腹圧や直腸収縮力の低下のため便が排出できない状態です。便は直腸まで降りてきているため、下剤よりも摘便や浣腸、坐剤が第1選択となります。


では、どのように分類するのでしょうか?


CTやX線画像はわかりやすい反面、便秘ごとに検査できず非現実的。排便日誌は、停滞している便を見つけることはできません。


しかし、エコーなら、便の停滞位置や性状がタイムリーに可視化できます。ナースがベッドサイドでこれらをアセスメントできれば状況に応じた下剤選択や排泄ケアのカスタマイズができます。 


次回は、腸管内の便の位置や性状に関するエコー画像について解説します。それらの知識も踏まえ下剤選択の深淵をみていきましょう。


引用参考文献※1 公益社団法人 日本看護協会:看護の専門性の発揮に資するタスク・シフト/シェアに関するガイドライン 2022※2 日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断・治療研究会編:慢性便秘症診療ガイドライン2017.南江堂,東京,2017※3 厚生労働省 国民生活基礎調査2019

文:浦田克美看護師経験25年。皮膚・排泄ケア認定看護師、特定看護師(創傷管理分野)、エコーナースClub運営。

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